掛けた。 10m程走った。 止めた。 ・・・が、動かない。 無理やり出した。 また動かない。 こんな事3度。 悪夢の再来か・・・弱気虫が蠢く。 道は3本。 行きたがる「右」の本筋に、絶対に入れてはいけない。 ラインシステムを信じて、半ば強引に真ん中の筋に・・・。 途端に下流に走ったが、水深が力強さを消していた。 顔を上流に向け止めたら、始めてイヤイヤをした。 針はずれが心配だったが・・・ここで勝負。 傷のほとんどない、重く美しいサクラだった。